黒文字。本州から九州の野山に自生する、雌雄異株の落葉低木。日当たりのいい高木の下などによく見られます。
春の雑木林で、葉が伸びるに合わせるように、小さく可憐な黄緑色の花をつけます。葉は展葉初期は毛に被われていますが、展葉したものにはほぼ無毛。葉先は尖ります。葉などから香料の原料となるクロモジ油が採れるそうです。果実は5mm程度の大きさで、緑色から茶色、黒色ヘと熟していきます。
材は、高級爪楊子に使われます。「くろもじ」は、茶道で使う大きめの楊子のこと。
2006.1.13
ここのは、3年前の春(2003年4月3日)の写真です。
クロモジは、和菓子を食べるときのつまようじとして、枝が使われる、その樹(き)なのですが、春になると小さい花がさきます。
右の写真→は、中心に葉芽、それを囲むように花芽が3ついています。このクロモジの冬芽は、枝先に葉芽がひとつと、丸い花芽の3つがセットになってついてるので花芽が多いといえます。普通は2つくらいの花芽でしょうか。芽は、わたしの手と比べても分かるように、とても小さいものです。まん中の花芽からツボミの固まりがのびてきたところです。左側のも、ちょっと割れてツボミが見えてきています。右側のはまだ花芽がかたそう。
もう少し日当たりのいい枝が左の写真←で、葉芽も、花芽も割れて中身の毛むくじゃらの葉っぱと、たくさんのツボミが出てきています。花芽にかぶさっていた茶色いのがツボミの上にのっかっていて、とれかかっています。もっと日当たりのよい枝を見てみると、もう花がだいぶさいていました。あの小さい冬芽の中にこんなに花が入ってたのかと、びっくりです。この写真→では分かりにくいですが、この樹(き)は雄花(おばな)ばかりさいています。
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今度は、horagaiさんにもらった写真です。
photo by horagai |
クロモジの花は、とても小さいのですが、樹(き)によって雌花(めばな)ばっかりのと、雄花(おばな)ばっかりのとがあります。つまり、女の子の樹(き)と男の子の樹(き)があるわけです。その花の一つをよくみてみると、カエルの顔みたいに見えるよって教えてもらいました。左の写真←(2005年4月10日)をよく見てみてください。わかりますか?花粉のついているのがカエルの目玉です。(^^
photo by horagai |
それから、ずいぶん葉っぱがのびてきた写真ももらいました。葉っぱは、こんなふうに→(2004年4月8日)かたまってついています。とてもきれいな緑色の葉っぱで、ジクが赤いのが分かると思います。その赤いジクのあたりをよく見てみると、花もまだついているのが分かります。
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また、わたしがとった写真です。2002年5月25日に島根県の 三瓶自然館でとりました。
クロモジのめばえをみつけたときに、近くにあった大きくなっている樹(き)の写真をとりました。葉っぱがかたまってついている中心に緑色の小さい実が3つ ついてるのが分かります。秋になると、この実は緑色から茶色へ、茶色から黒色へと じゅくしていきます。